―――   水色×美諭  著者:3_38様   ―――



青い空、青い海、白い砂浜、はしゃぐ水着の女性陣
…ま、あたしもその一人なんだけどさ…
綺麗な海で泳ぐのは気持ちいいし、ちょっと奮発して来てよかったかもな。

おっと、ちゃんと先に説明しとかないとね。
あたしは越智美諭。空座第一高校の国語教師。一年三組担任。
要はガッコのセンセってヤツ。
で、現在夏休みでプーケットに旅行中。
こんなとこかな。

コトの始まりは悪友マリエの一言。
「ねェ〜美諭ぉ〜プーケット行かなぁ〜い?」
「…プーケットぉ?なによ?イキナリ」
「今年の夏休み、友達誘って海外行くつもりだったんだけど
一人行けなくなったコがいてさぁ〜」
「ダメダメ!夏休みは忙し…」
「学校、夏補習とかないんでしょ?」
「…そうだけど?」
「それに美諭、こないだ彼氏と別れたばっかりじゃん?」
「ぐ…」
「てことは予定はバッチリ空いてるわね!」
「…ま、ね」
「じゃ決定ねっ!
メンバーは私も入れて10人!あと彼氏も連れてくからヨロシクね〜!」

ってことで終業式翌日から東南アジアくんだりまで来てるワケさ。
マリエの友達8人もそこそこいい人だし、プーケットの離島は人もまばらだし…で言うことなし。
…なんだけど……

浅瀬で遊ぶ楽しそうに女性陣をよそに、あたしは海から上がって熱い砂浜を歩く。
で、木陰で帽子を顔に乗せたまま寝転んでる男……マリエの彼氏…に近づいて
そいつの帽子をひょいと持ち上げて顔を覗きこむ。
男というよりはまだ青年…少年と言ってもいいかもしれない。
年は若いが見た目はそれ以上若い。真っ白で整って…そして見慣れた顔……
「で…なんでお前がココにいるんだ…?………小島水色。」
小島水色……空座高校一年三組の生徒は、
眩しそうに目を細めた後、無邪気な笑顔でにっこりと笑った。




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