―――   やちる×剣八 著者:182様   ―――



「ねえねえ剣ちゃんしようよう」
長椅子に横たわり、片手枕に報告書を読んでいる剣八の腹に跨ると、やちるは弾んだ声で話しかけた。
「ねえ剣ちゃん」
胸の上に置かれた拳でゆさゆさと揺すられても、剣八はぴくりとも動かない。頁を捲るついで、とでも言うように報告書を少しだけずらし、剣八はやちるをちらりと見やる。
「剣ちゃんってばあ」
ぷう、と頬を膨らませ、腹の上からまっすぐに見つめる瞳を遮るように、剣八は報告書へと視線を戻した。
「・・・お前、ここがどこだかわかって言ってるのか?」
「うん。11番隊隊長室」
机と椅子とこの長椅子だけの質素な部屋に、花が音を立てて咲くような、そんな笑顔でやちるが答える。
「じゃあなんでそんなとこ座ってんだ。仕事の邪魔だからどけ」
「だって剣ちゃん構ってくれないんだもん。あたし暇だよう」
丸い頬をさらに膨らませ、やちるは剣八の着物の袷を掴みをゆさゆさと揺する。
ねえ剣ちゃんしようよう、と先ほどと変わらぬ台詞を繰り返すやちるに、剣八はひとつため息をつくと、やちるの目を見返して「しない」と言い切った。
「大体お前、どこそこ構わず発情してんじゃねえ。そういうのは自分の内にしまっとけ」
「・・・剣ちゃんのけち」
いいもーんだ、とやちるは剣八の腹の上でくるりと向き直り背を向けると、ごそごそと剣八の前紐を解きにかかる。
「・・・やちる、そんなことしても無駄だぞ」
先程よりもさらに大きくため息をつくと、剣八は報告書に集中した。

袴の前を折り返し、下穿きをずらすと、やちるはいそいそと剣八のモノを引きずり出す。
「しないんだって。あたしがっかりだよ。剣ちゃんどう思う?」
人形遊びでもするかのように、ぐにゃりとしなだれたそれにやちるが話しかける。摘み
あげて、親指と人差し指に交互に力を入れると一拍遅れて左右にふにふにと揺れる
「剣ちゃん」を両手でそっと包むと、やちるは唇を寄せて啄ばむように触れた。
「ちっちゃい剣ちゃんだったら全部入るのにねえ」
触れるだけの接吻を何度か繰り返した後、やちるはぱく、と剣八を咥えた。未だ形を
持たないそれを咥内で掻き回し、ちゅうと強く吸う。吸い上げるたびに少しずつ芯を
持ち始めるその様子に、やちるは目を細めて笑うと、ちゅぽん、と音を立てて唇を離した。
「こらあ、剣ちゃんおっきくなっちゃったらあたしの口に入りきらないでしょう?」
めっ、と自立する「剣ちゃん」を人差し指でつつくと、やちるは剣八の双玉に指を這わせた。
すでにやちるの口に納まりきらなくなったそれを唇でなぞりながら、掌に包んだ双玉を
優しく揉みしだく。雁首をくるりと舌で撫で上げ、裏筋をなぞる。時折剣八の大腿部に力が
入るのを横目で確認しながらやちるの舌は執拗に剣八を求め続けた。

「ひゃっ?!」
突然下穿きごとずり下げられやちるは甲高い声をあげる。その声にどことなく満足感が感じ
られて、剣八はちっ、と舌打ちした。
「・・・ったくしょうがねえなあ」
ばさり、と報告書を床に投げると剣八はゆっくりと身を起こす。露わになったやちるの腰を
両手で掴み、顔の高さまでぐいと持ち上げる。逆立ちの体勢になりながら、それでも剣八から
離れようとしないやちるの中を覗くと、脹れて盛り上がった裂目が粘着質な輝きを見せていた。
「お前・・・なにもしてないのになんでこんなんなってんだ」
「らってけんひゃんとしらかっらんらもん」
もごもごとくぐもった声で答えるやちるを抱え上げこちらを向かせると、剣八は一気にやちるの
最奥へと身を沈めた。
「んあっ・・・ん」
肩を震わせながら、眉根にしわを寄せてやちるが満足げに微笑む。くそっ、という言葉を飲み
込みながら、剣八はやちるの身体を上下させた。やちるの子宮口にぶつかるのを確認しながら
腕に力を込める。下手をするとやちるを壊してしまいそうな体格差に剣八は気が抜けない。
辛うじて埋めることができる雁首をやちるの膣口が締め付ける、その快感を紛らわすように剣八は
やちるの体勢を保つことに集中する。
「あっ・・・ん、けんちゃ・・・あん」
途絶えがちにやちるが剣八の名を呼ぶ。
「けん、ちゃあん、き・・・もちいい、よう」
上り詰めるやちるの声に急き立てられるように剣八は抽送を早め、やちるが達したのを確認すると、
やちるを退かし自身をやちるの体内から引き抜いて吐精した。

「剣ちゃん、自分にいっぱいついてるよ」
「・・・っお前がこんな体勢でさせるからだろうが!!」
「えへっ」
まったく悪びれない様子で笑ったあと、やちるは剣八に背を向けてころりと横になった。
「・・・?やちる?」
「剣ちゃんお仕事まだあるんでしょう?終わったら起こして」
「・・・ってめえ!!」
おやすみー、と言ったかと思うとすぐにすやすやと寝息を立てるやちるに、剣八はがりがりと
頭を掻きむしり「くそっ」とつぶやくと床に落ちた報告書に手を伸ばした。






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